b型肝炎患者のアルコール摂取の注意点

アルコール摂取は、健康な人であっても肝臓に大きく負担をかける行為です。

そのため、アルコール性の肝障害ではない慢性のb型肝炎でも、その量には注意しなくてはなりません。アルコール摂取は完全に禁酒の場合と少量なら大丈夫な場合があり、ここでは、b型肝炎患者のアルコールとの上手な付き合い方について詳しく紹介ています。

適量を把握しておこう

アルコールの解毒は、肝臓にとって大きな負担になります。また、グラス1杯程度のワインであっても、脂肪代謝を4時間もストップさせることになるので危険です。そのため、アルコール性肝障害ではなくても、肝機能が低下している人は、お酒を飲まないほうが安心です。

b型肝炎ウイルスキャリアの人の場合、慢性肝炎まで進行した場合でも、非活動性キャリアの時期もあります。肝機能検査において、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ・ASTとアラニンアミノトランスフェラーゼ・ALTの数値が100以下なら週に1度、20gのアルコール摂取は可能です。

ビールなら、アルコール度数が5.5で1缶程度、日本酒ならアルコール度数15パーセントで1合弱くらいの量が目安になります。もちろん、この量をしっかり守っていたとしても、ウイルスが活性化したり、肝機能が低下してしまった場合には、減量するか、禁酒をするかを医師の判断にゆだねる必要があります。

医師から適量を指示されたら、家族や友人、同居人などに伝えます。

b型肝炎ウイルスとは、非常に長い付き合いになる人がほとんどです。アルコールの摂取を自分でコントロールできる自信がなければ、過剰飲酒してしまいそうな兆候が出てきたら、注意してくれるように周囲に頼んでおくことが大事です。

食事をしながらゆっくり飲む

適量のお酒であっても、空きっ腹にいきなり飲んだのでは、胃を痛めてしまいますし、胃腸の吸収が早くなるので、肝臓への負担が非常に大きくなってしまいます。まずは、食べ物を胃に入れてからゆっくりと少しずつ飲むのがポイントです。

とくに、良質なたんぱく質や適度な脂質を含んだ食品なら、胃腸の粘膜を覆って保護してくれますし、アルコールの吸収スピードをゆるやかにしてくれます。たとえば、豆類のようにアミノ酸スコアが100に近いものや、卵や肉、乳製品や魚などアミノ酸スコアが100に達していて、低脂肪の部位を使用したものを選ぶことが大切です。

牛肉や豚肉なら赤身肉、鶏肉は皮下脂肪を除いて食べ、魚は青背の魚で脂身の少ないものを選びます。

乳製品は、バターや生クリームは除外し、ワインのおつまみにチーズを食べたいときには、高カロリーな上、たんぱく質の摂取はそう期待できないクリームチーズは避けるようにします。そして、肝機能の低下は、ビタミン不足につながりますので、肝臓の治癒には欠かせないビタミンB群を十分に摂取するようにすることが大切です。

慢性のb型肝炎の人は、健康な人の2倍のビタミンを必要としています。だからといって食べすぎはよくないので、ビタミン含有量の多い食材をアルコール摂取するときには意識的にとるようにします。ただし、糖質は制限しすぎると肝臓の負担を増やしてしまうだけです。

食物繊維の多い穀物は、肝臓にやさしいので適切量を穀物から摂取するようにします。用意すべきは、おつまみではなく栄養バランスのいい食事です。

肝臓を助けるフルーツを取り入れる

アルコールを飲む前に果物を食べるとアルコールの代謝が促進されるともいわれています。柿を食べてアルコールを摂取するとアルコール分解が早く進み、吸収が抑制される研究結果も報告されています。これは柿に豊富に含まれているビタミンCと抗酸化作用を持つカロテンとタンニンの効果です。

抗酸化作用の高いフルーツであれば、ぶどうもポリフェノールが豊富ですし、柑橘類はビタミンCの宝庫です。柑橘類の中ではとくにオレンジに含まれるイノシトールというビタミン様物質が、肝臓の脂肪代謝を促進してくれるので効果的になります。

果物は飲酒前に食べてもいいですし、飲みながらでもよく、柿なますやオレンジとにんじんのサラダ、ぶどうソースをかけた肉料理など工夫して摂取することが重要です。また、食後のデザートとしてフルーツを食べても問題ありません。

医師にごまかしはきかない

アルコール摂取に関しては、必ず医師との相談が必要です。b型肝炎ウイルスキャリアで治療対象にはならない経過観察でいい人が、主に飲酒を許可されます。しかし、もともとお酒が好きだった人にとっては適量あるいは禁酒というのは難しく辛いことかもしれません。

血中には、γ-GTP・ガンマ・グルタミルトランスペプチターゼというアルコールの影響を受けやすい酵素が存在しており、肝臓では解毒作用に関係するグルタチオンなどの生成の役目を担っている酵素です。残念ながらb型肝炎を含む肝臓病の人は、医師に飲酒量を本当の数値よりも少なめに申告しがちです。

それは、完全な禁酒を言い渡される恐怖によるものからという人が多いですが、アルコールの摂取量は、大方このγ-GTPの数値により判別可能です。飲む量によっては正常値を20倍ほど上回ることもあります。肝臓の状態を調べるときに、ALTの値などと同様にγ-GTPも調べられますので、医師に偽りは通用しないということを肝に銘じておきましょう。

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アルコールのコントロールをする

b型肝炎ウイルスが活動性の状態にあった場合、有無をいわさず禁酒を命じられます。治療を行いながら肝臓への負担を減らす日常生活を求められますので、禁酒は当然のことです。すぐにアルコールの摂取をやめられれば肝臓の線維化のレベルを引き下げたり、発がんリスクというのは下がりますが、やめられない人というのは、単にb型肝炎の治療だけ行えばいいというようにはなりません。

禁酒を1人で試みるのは難しいことなので、家族や周囲の人にサポートを頼むことが必須です。また、どうしても周囲の人に頼れなかったり、一人暮らしで難しいというときには、精神科の専門医などの協力も必要です。b型肝炎ウイルスは治療をしても、しぶとく体内の残り、そのごくわずかなウイルスが再活性化することもあります。

トータルすれば、活動性であっても非活動性であっても長いスパンでアルコールのコントロールが必要です。